東京地方裁判所 昭和51年(ワ)5758号 判決
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【判旨】
以上の事実関係によれば、本件貨物は実は既に貨物船モンタナに積載されて横浜港に到着し、直ちに海難報告のなされた航海中の荒天のため梱包に破損を生じた状態で陸揚げされていたのに、その後日に至つて、原告の申込みにより、被告は、本件貨物が船積み前で積載船舶未定の海上保険対象物件であるものと信じ、その旨表示して本件予定保険契約の締結を承諾し、右予定保険は後に原告より積載船舶を貨物船「モントゴメリー」とする確定通知を受けて確定保険となつたものであるところ、かような場合、積載船舶の如何が保険者において保険引受けを承諾するか否かの決定を左右する重大な事項であることは同旨の渡辺証人の証言にまつまでもない事柄であり、かつ、もともと予定保険契約は船積みすべき船舶が未定であることを前提とするものであり、本件の保険者被告の承諾の意思表示にもその旨が表示されているのであるから、本件海上保険契約は被告の意思表示の要素に錯誤があり無効であると認めるのが相当である。
(渡辺惺)